2006年03月20日

あの時確かに《早く昔になればいい》と願った。

『早く昔になればいい』久世光彦  ♪♪

ひとりになりたくて 旅に出た。
とりあえず北に 進路を取った。
そうして辿り着いた この村で
今夜私は ひとりきりで過ごす。
年とった 鄙びた 宿の部屋で。

ところが… 予想は裏切られた。
この黒光りする囲炉裏を囲んで
今の私は ふたり過ごしている。
年とった 髭白い 宿の主人と…

主人は語り始める。
静かに 低い声で。

四十年前の この村のこと
狂った 大地主ののこと
娘を陵辱した 男達のこと
やがて生まれた 赤ん坊と、
ほどなく死んだ 娘のこと

私は 明日帰ることを決心する。
早く昔になればいい
そう思い始める前に 帰りたい。
(物語とは合致しません。感覚です。)


実際はもちろん読んでるんだけど、
なんだか話を聞いてる気分になっちゃいます。

気が触れてしまった少女 しーちゃん と
四十年ぶりに自分の育った場所へ来た 

いつしか視界が グルグルと回転していって
五十五歳の私の世界が 子供の頃と絡まって。

何が現実で 何が幻想で
誰が狂って 誰が正常か 分からなくなるぅ…

物語の中には「無言坂(ごろざか)」が出てきます。
久世さんが 市川睦月の名前で作詞した曲
「無言坂(むごんざか)」を香西かおりさんが
歌ってますよね。

同じ無言坂なのかなぁ。
久世さんが育った 富山を舞台にしたのかなぁ。

過去のある時点に ズット留まっている事も
狂ってしまうのと 同じ意味を持つことが…
もしかしたら あるんじゃないかと思う。
とても幸せで とても怖ろしい。
そんなワタクシ、MOWでした。

久世光彦さん
2006年3月2日 急逝(虚血性心不全)
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。





タグ:恋愛 病気 ♪♪
posted by MOW at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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