2007年01月20日

『江利子と絶対-本谷有希子文学大全集』本谷有希子


ときどき人が判らなくなる。
「どうして?」
自分のことで精一杯の時だ。

すると自分が判らなくなる。
「どうして…。」
楽になれない自分に気付く時だ。

ぐるぐるグルグル 堂々巡りを繰り返す。
どんどん先に進んでいく
時間や 周囲の人々、自分の頭から
おびえた心と 弛緩した身体だけが
取り残されていく。停滞する。

なにかに気付いて 希望を見出すまで。

 引き籠りの妹:江利子と
 江利子が拾ってきた犬:絶対の日常を描く
 「江利子と絶対」

 頭皮に問題を抱える中年:多田と
 生垣の中から現れた女:アキ子の束の間、
 「生垣の女」

 いじめっ子1人といじめられっ子2人と
 ひっそり佇む一軒家に住む1人の男との攻防、
 「暗狩」


祖母が亡くなったときのことを思いだした。
小学生だったあの頃、
葬儀に一通り参列するのは初めてだった。
悲しいはずのお葬式は 親戚の笑い声で満ちる。

そんな時、ワタクシはといえば…。
お祖母ちゃんに会えなくなってしまったのに
笑えるはずがなかった。

だれとも喋らず、なにも食べず、
まっくらな押し入れに隠れたまま過ごした。
亡きお祖母ちゃんを想って、
笑ってなんかいる大人達を軽蔑し
そんな大人が生きる社会を恨んで
自分は何があってもコノ押し入れから出ない、
誓った

社会に抵抗する引き籠りの誕生 ( ̄ー ̄;アハ。

いつの間にかグッスリと眠って、
次の日の朝には“社会復帰”するという
なんとも情けないワタクシではありましたが。
もちろん、嵐のようだった自分の心の中を
誰かに訴える勇気や行動力もなかったので、
押し入れで一晩を過ごしたワタクシのことは
「ドラえもんのマネしてみたくなったのね。」
くらいにしか認識されてなかったと思います。

今考えれば分かる。
「大往生だったのだから明るく送り出そう。」
そんな優しい想いが詰まっていたんだろう。
でもあの時のワタクシには理解不能だった。

微笑ましい想い出でございますーっ!
(//▽//) オハズカシイカギリデ。

人間の心って 複雑で。単純で。
この本は 読む時期を間違ってはイケナイ本かも。
ワタクシは今回、おもいっきり間違えたので…
再読のチャンスを窺いつつ生きていく所存ですっ♪



タグ: 短編 苦悩
posted by MOW at 07:05 | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書
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江利子と絶対 本谷有希子
Excerpt: 「劇団、本谷有希子」の主宰を務めながら、後に映画化もされる『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』が第18回三島由紀夫賞候補になるなど、近年では小説分野でも大きく活動の場を拡げつつある著者、本谷有希子.....
Weblog: 粋な提案
Tracked: 2010-11-08 18:07
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