ときどき分からなくなることがある。
たとえばこの前、手書きで宛名を書いていたら
「平」という字が分からなくなった。
書けなくなったわけではない。
なにも考えずに書いたあとで、
本当にこれが「平」という日本語なのか
自信が持てなくなってしまった。
見れば見るほど、へんてこな記号だ。
……。
もしかしたら自分は日本人じゃないのかもしれない。
小学校で習うような簡単な漢字で迷うと、
信じていたつもりの全てが疑問に思えてくる。
自分が自分だと確信することが難しくなってくる…。
カンナミ♂は飛ぶ。
そしてその右手でボタンを押す。
ボタンは敵の戦闘機を撃ち落とす。
戦闘機乗りが、死ぬ。
この世界で生きるということは
いったいどういうことなんだろう。
老いて死ぬ、とはどんな感覚なんだろう。
大人たちは戦争を知らず、子供だけが戦闘機に乗れる。
どんな理由なのかも分からず、社命により敵機を撃つ。
カンナミのような子供たちはナゼ生まれたのか?
それを考えると、溺れてしまいそうです。
カンナミがクサナギ♀やトキノ♂と
ボーリング・ゲームをしている場面には…
どうしても、“キルドレ”といわれる彼らの
人生を重ねてしまいました。
人が生きることとボーリングは同じなのかもしれない。
ゲームみたいだ、というわけでは決してなく。
あぁ。
今のワタクシは こうして日本語で考えて
日本語で文章を書いているつもりだけれど、
本当の日本語がどういうものなのか、
浮かんでくる思考が自分のものなのか、
信じられなくなってくる。
「自分の責任だと考えることが、一番楽なのだ。」
(本文より)
一番楽だという、この方法さえも
この物語を読んだワタクシはできなくなっている。


ノベルス版は自分の好きなイラストレータさんの表紙。
自分は文庫版です。
文庫版は単色。
あれ、文庫版はコストパフォーマンスがよいだけ・・・?と、ちょっと気になりました。
もうね、ほんとにね、気持ち良いくらいの表紙でした。
『ダウン…』は曇り空だったけど、
シリーズは青空から始まってたんですね。
ノベルズ版のイラストは見たことないんですけど
文庫版の きっちり単色 はどうなんでしょー。
それはそれで世界を表している気がしないでもないでもないでもない…