2007年05月27日

『些末なおもいで』埜田杳


「今、ナニ作ってるの?」

「え?ヤサイイタメ?」

「今度買い物行くとき、付き合ってくれる?」

暗い道 街灯の下
携帯電話に向かって男性が問いかける。

「ナマエ、なんてゆーんだっけ?」

てっきり恋人と話してるのかと思っていたら…
ワタクシ、初めて出会い系に直面した模様です。

昨日の夜の、ワタクシの些末なおもいで。


小説を読んでいると、
ただ文字を目で追っていくだけのときとか
どろどろにトロけて抜け出せなくなるときとか
いろいろあったりする。

それはたぶん
文章がうんぬんではなくて、
琴線。

もちろん作りの巧拙はあるだろうけれど
巧い小説なら楽しめるってわけでもないし。

埜田さんの、この物語に登場するのは、
幽霊部員の巣窟である園芸部に所属する3人の高校生。

「あれ」という奇病をストーリーに据えつつも
未熟な子供たちをそのまま描ききっていて、
想像する余地を与えていないような。

生きることを選んだ自分が
どれだけのものを押しやっているのかと
イメージをふくらませてしまうような。

なんともいえない感じにさせてくれた。

第2回野生時代青春文学大賞受賞。

出会い系になにかを求めていた昨夜の男性は
自分の話を聞いてくれる相手に出逢えるだろうか…



タグ:青春 病気
posted by MOW at 07:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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