2005年08月21日

「ミニマリスト」の哀美な世界

♪♪♪
この物語は一貫して 静寂と沈思 に包まれています。
「ぼく」、「父さん」、「母さん」、
それに関わるいくらかの人々。
他には、子猫と、年老いた犬、そして「タカ」。
そう、登場人物はこれだけです。

けっして世間から注目を浴びそうもない3人親子の、
けっしてドラマティックではない、淡々とした日々。
そんな中で、
「ぼく」が店先で売られているタカを目にした所から
物語は始まります。

「ぼく」と「父さん」の関係。
そう、「ぼく」が語り手。


なぜこの本を読んだかというと、表紙が美しかったから。
とっても心惹かれる画が描かれています。

読んでみると、際立った展開はありません。
心痛める出来事は起こってしまうけれども、
淡々と過ぎていきます。
そう、淡々と。

いつもと変わりのない日常の中の、
いつもと 少しだけ 違う出来事。
いつもと変わらないはずだったのに、
毎日、変化していってしまう、人生。

意見を挟む余地のない、彼らの人生の一場面を
こっそりと、ただただ眺めることだけを許されている。
そんな印象を受けてしまいます。

作者は、児童文学出身ということですが、
この物語は 大人の読み物 でしょう。
子供でもサラッと読めてしまうかもしれませんが、
これは 大人のもの だと思います。

読み終えて、本を閉じ、表紙を眺めると、
哀しくて 美しい 小さな世界の全貌を、
画とタイトルの「おわりの雪」から
抱くことができるような気がします。

お勧めです。




タグ:家族 ♪♪♪
posted by MOW at 23:00 | Comment(2) | TrackBack(2) | 読書
この記事へのコメント
MOWさん、こんばんわ。
TBありがとうございます。
実はこの本を知ったきっかけは、MOWさんのブログでした。
よい本を教えてくれてどうもです。
次は「しずかに流れるみどりの川」を読みたいと思ってます。

Posted by Duca at 2006年07月27日 21:14
Ducaさん、こんにちはっ
そうだったんですか、このブログでコノ本を…
今更ながらに ちょっとドキドキしました^^;
でも楽しんでもらえたみたいで良かったです!
「しずかに…」も心に響く物語なので、
手に取る時には ゆったり浸れるといいですね^^
設定は似てますけど、また違った味わいですよ。
Posted by MOW at 2006年07月28日 17:38
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