2007年11月28日

『ライ麦畑でつかまえて』J.D.サリンジャー

♪♪
「未成熟な人間の特徴は、理想のために高貴な死を選ぼうとする点にある。これに反して成熟した人間の特徴は、理想のために卑小な生を選ぼうとする点にある。」(本文より)

主人公のホールデン・コールフィールドが立ち寄った先で
彼に聞かせるためにアントリーニ先生が引用した、
精神分析学者ウィルヘルム・シュテーケルの文が上↑です。
オーストリアの学者さんなんですね。関係ないけど。


12月。
クリスマス休暇に入る前。
彼はペンシー高校を退学になった。
これで3校目。

彼は休暇を待たず寮を出た。
学生の休暇ではない、
どこに所属している訳でもない、
彼だけの休暇を取ることにした。
家族の元へ帰る予定の
水曜日まで。

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
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読むのに時間がかかる本に、時たま出会う。
大抵は興味の湧かないだけなんだけれど、
この本はそれとはまた別の方だった。

「読むのが苦しくて時間のかかる本」の方だった。


周囲の出来事に疑問を持つ主人公は
孤高のヒーローだのアンチ・ヒーローだの
と、言われているらしいことを読後に知ったワタクシ。
そんな風に思うことが出来るということは、
主人公ホールデンを確実に他人として捉えているハズ
でしょうから、とっても羨ましい。( ̄∀ ̄*)

彼の周りにいる高校生といえば
なんだかんだで折り合いを付けることにしちゃってるか、
もともとあんまり疑問にも感じずに生き抜いている人か、
このどっちかがほとんどだったと思うんです。

いや、高校生という年齢が分かりやすいというだけで、
本来は年齢というものは関係ないのかもしれません。
10才でも70才でも、本質的なものなのかも。

となると、さらにホールデンの心は荒れてしまう。

そして彼の場合は、社会に対してというよりも、
家族に対しての認識を許容することの困難さが拡大して
近しい人々全てへ向けられているような気がします。
可愛い妹、死んでしまった弟、独立した兄、父母。
そして自分。
彼のように考え始めてしまったら、
社会生活を続ける自分を受け入れることは難しいと思う。

うむむ。やっぱり苦しい。





タグ:♪♪ 苦悩
posted by MOW at 20:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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