2008年03月01日

『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン

♪♪♪
長いです。 文章が長いので無理して読まないでください。 あ、違いますよ。長いのはワタクシのこの記事のことです。 決して物語のことではありませんのでご安心ください。 物語の方は、もっと長くても全然気にならないくらい一気に読み終えてしまいました。 それにしても最近長く書くことが多いなぁ。

ということで、昨日の記事があんまりにもあんまりだったものですから、さっさと過去記事の海へ埋没させるためにも(トップページから追い出すためにも)更新をしてしまいまーす。


夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハリネズミの本箱)
←この表紙が気になってはいたんです。だけどなんとなく敬遠とまではいかないまでも手にはしませんでした。「自分には合わないような気がするなぁ」と思い込んでいて。



15才のクリストファー・ブーン君♂が 夜中の十二時を七分過ぎた頃に外を歩いていたら、ミセス・シアーズの家の芝生の庭に犬が横になっているのが見えた。 横になっているといっても眠っているわけではなくて死んでいる。 園芸用の大きなフォークで突き刺されているのだから殺されたんだろう、とクリストファー君は分かっていた。 そして彼は、それが体を黒い毛で覆われたプードルで、ミセス・シアーズの飼い犬のウエリントンであることにも気づいていた。
クリストファー君は「誰がどうして彼を殺したのだろう」と思った。 他にも思ったことがある。 「犬を殺すことは悪いことで、悪いことをした人は捕まえて罰を与えなければいけない」ということだ。 シャーロック・ホームズが好きな彼は、危険を顧みず、探偵の仕事を始めることに決めた。
ところでこの本はミステリ小説で、クリストファー君が自分に起こった出来事を書いていった真実の本です。

夜中に犬に起こった奇妙な事件 新装版
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それで最近発見したのがこちら↑

あぁ、そんな!! いつの間にこんな素敵な表紙に早変わりをっ?! あ、いやいや以前のものもステキですけど。( ̄▽ ̄;;) とにかく、もう読まずにはいられません。読んじゃいました。


物語の本文中には一言も出てきてはいないんですが、本の紹介文やあとがきに「主人公は自閉症児」とあります。 養護学校に通っていたり、数学やパズルが好きで得意だったり、人が体を触ってくるとパニックになったり、他人の顔の表情を読み取ることができなかったり、 それらしい記述は本文にたくさんあるので、これはネタバレじゃないんですよね?

そんな彼が探偵を稼業とすることは大きなリスクを伴う。 近づきたくもない他人に近づいて、喋りたくもないのに聞き込みをしなきゃならない。
これはつらい。
つらいけど、彼はやりますよ。 なぜなら犬を殺すことは悪いことだし、殺されたミセス・シアーズの犬のウエリントンのことが好きだったし、犯人を探し出すことはもう自分で決めたことだし、一度決めたことを変更するのは頭が混乱するのです。 なんだかクリストファーっぽい文章になってしまったけれど、自分が世間一般の人と違った思考回路を持っていることを自覚して、自分にとっては生きづらい世界でなんとかバランスを取っていこうと頑張っていたり、それでもどうしようもなくて意識が飛んでしまったり、時には我を通してみたりする彼の姿が、読んでいるうちに可愛くて愛おしくて堪らなくなってくるんですね。
 「あぁ…、クリストファー!(*´∇`*)」なんて言って抱きしめたくなるくらいです。 実際に抱きしめたりしたら彼はパニックに陥ってしまうだろうから、それは出来ない相談なんですけど。

ワタクシは今、「クリストファーを抱きしめる」という現実に起きていないことを想像していたわけですが(だいたい小説の話ですし)、彼の言葉にはこんなものがありました。
「ぼくの頭の画像はぜんぶじっさいに起こったことだ。」
恐怖心を抱きながらも他人と会話を持てる彼は高度なアスペルガー症候群でしょうし、実際現実的で論理的な思考の中で生活しています。 そして彼は本当のことしか言わないんですから、自分が心底そう思っていることがこのセリフから分かります。 だけど! 時々宇宙飛行士になって宇宙空間に一人でいることや、それで地球の人たちと交信している自分の姿を想像しちゃってます。 15才の養護学校の生徒で、犬殺しの犯人探しをしている探偵の彼は、昔も今も宇宙飛行士のハズがないのに。 「じっさいに起こってない画像も頭の中にあるじゃん!(* ̄m ̄)」とツッコミたいところです。

ツッコミたいのは山々なんですけど、ホントのところ読者のワタクシとしては嬉しくってしょうがないんです。 だって4才まで世界との繋がりを持てなくて記憶もない彼が、10年以上もかかって探偵のまねごとを出来るまでになり、さらに自分ではまだ気づいていないみたいだけれども夢まで見るようになっている。 それならこの先、他人の感情を読み取ることだって不可能ではないかもしれないと感じられて、嬉しくてしょうがないんです(2回目)。

とまぁ、主人公に完璧に感情移入してしまったワタクシでした。

そして一番印象に残ったのは… 午前二時七分にソファに座っていたお父さんの目から涙が流れていたところでした。 結構早い段階での場面なんですが、ここで一気に引き込まれてしまったんです。

そういえばこの本はハリネズミの本箱というシリーズの中の1つらしいのですが、amazonで「ハリネズミの本箱」を検索すると、#『ドールの庭』がヒットしました。 知らずに読んでいましたが、これもそうだったのかと感慨深かったりして。あは。


長々とお付き合いくださりありがとうございました。<(_ _)>
次回は長くならないように、頑張りまーす。


自閉症の本、記事はこちら。
#『自閉症だったわたしへ』#『自閉症だったわたしへ 2』#『自閉症だったわたしへ 3』#『自閉症とパーソナリティ』
ホームズシリーズ、記事はこちら。
#『緋色の研究』#『四つの署名』#『シャーロック・ホームズの冒険』#『バスカヴィル家の犬』#『シャーロック・ホームズの帰還』#『シャーロック・ホームズの事件簿』



posted by MOW at 15:00 | Comment(4) | TrackBack(2) | 読書
この記事へのコメント
はじめまして。TBもさせていただきました。
クリストファーの今後に希望のもてるステキな本でした。
感動というのとはちょっと違うかなあとも思いますが。
早い段階でお父さんが涙を流すところは忘れてしまってましたが、
お父さんの心の流れにもかなり引き込まれました。

またいろいろ感想を読みにお邪魔させていただきますね。
Posted by カクテキ at 2008年03月02日 11:28
カクテキさん、はじめまして。
「はじめまして」と言いつつ、「カクテキ」というお名前に覚えがあったりするので、もしかしたら以前そちらのブログを覗き見したことがあるかもしれません。(あぁ、また文章が長くなってしまっている…。)
お世話になってます(?)。(* ̄m ̄)


「ステキ」という言葉は、この本にピッタリですね!
何年後かにもう一度読みたくなる時期が訪れる気がする様な、
そんな感触でした。
Posted by MOW at 2008年03月02日 13:21
再びお邪魔します。
いただいたコメントを読み、名探偵モンクさんに誤解を与えてしまったようで釈明にまいりました。
モンクさんは楽しいコメディで正解です。
私がふとクリストファーの行動とモンクさんを重ねてしまってしんみりしたということなのです。
変な書き方をして申し訳ありませんでした…。
Posted by カクテキ at 2008年03月03日 09:35
カクテキさん、こんばんは!
なんだか早とちりをしてしまったみたいで、
こちらこそすみませんでした。
ワタクシはポルターガイストというホラー映画を観て
家族愛に感動して泣けてくるんです。
「コメディのモンクさんにしんみり」もありですよね。

こちらのブログにコメントさせてしまってすみませんでした。
でもまた来てもらえて嬉しかったですよー!
Posted by MOW at 2008年03月03日 21:57
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