2005年11月14日

《雪の夜話》は自分の内面を深く掘り下げる…

「雪の夜話」浅倉卓弥  ♪♪

雪の降る夜に 近所の居酒屋で日本酒でも飲みながら
相模和樹くんが ポツポツ と語る思い出話を聴く…
まるでそんな雰囲気の中に 自分が入り込んでしまったみたい。

20代半ばにして帰郷した和樹が、8年ぶりに再会した少女
たった一人で 雪の降る深夜に 公園で雪相手に戯れる少女
そんな少女との対話の中から ゆっくりと何かを掴んでいく。


話の展開には そーんなに抑揚があったりするわけじゃない。
主人公の和樹くんが マイペースに自分と向き合えるだけの
そんな時間を過ごしてく そんな日々を共有するための物語。

人によっては イライラしちゃうかもしれないっ。
「こんなの当たりまえじゃないかぁ!」って思うかも…
人によっては 共感できる部分が少ないかもしれないっ。
「なに言ってんの?考えすぎだよぅ!」って思うかも…

でも 振り返ってみれば、和樹くんと同じような事で悩んだり、
自分の頭の中で くりかえしくりかえし 自問自答してたり、
人って たいていそんなものじゃないのかなー。

こんな風に感じたから、ワタクシは
居酒屋でまるで自分に向かって物を語っていく和樹くんの
すぐ側に座って ただただ聞き役に徹していた気になったのかも?

たとえば「今日は何日だっけ?」って思ったとき
近くにカレンダーとか新聞とかがなかったら…
「今日は絶対○日。」
って言える時までの自分は 自分の過ごした時間は何なんだろう?
社会としての常識や通念 人との関わり
そんなコトを剥ぎ取っちゃったら、あとに残るのはなんだろう?!
まっさらな自分は、ホントは何を考えて 何をしたいんだろう?!

この物語を読むのは、中学生だってできるかもしれない。
でも この物語を理解するのは、大人なのかもしれない。

もっと早くから 読んでおきたかったなぁー。
読んだからって 何も変わってなかったかもだけど、
でも出会ったことは貴重な体験になったと思うんだよなぁっ。

世界に存在する命の通過する場所、
雪の降る空のずうっとムコウにある光のかたまり、
スーッっとそこに吸い込まれていく光のかたまり、
今 何かを考えちゃってる人に 出会ってほしいお話ですっ!





posted by MOW at 17:33 | Comment(0) | TrackBack(2) | 読書
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/9329476

この記事へのトラックバック

○「雪の夜話」 浅倉卓弥 中央公論新社 1575円 2005/1
Excerpt:  評者は、色というものは光のスペクトルの中のその色を反射する現象であるという話を大昔に習ったときに、じゃあ色というものは現象なわけで、その現象の向こう側にある事実とはなんざんしょ?すべての物質が、その..
Weblog: 「本のことども」by聖月
Tracked: 2005-11-14 18:40

『雪の夜話』 浅倉卓弥 (中央公論新社)
Excerpt: 雪の夜話浅倉卓弥著出版社 発売日 200501下旬価格  ¥ 1,575(¥ 1,500)ISBN  4120035840bk1で詳しく見る デビュー作『四日間の奇蹟』のヒット(80万部らし..
Weblog: 活字中毒日記!
Tracked: 2006-01-18 00:24
TOP▲

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。