2005年11月25日

《隣の家の少女》から波及する、数々のボーダー…

「隣の家の少女」ジャック・ケッチャム  ♪♪♪

注:あのスティーヴン・キングが大絶賛しているこの本は、
  物語の半分近くまで 徐々に徐々に不安が高められ、
  後半は 自分の中の感情をピークに保ち続けながら
  読むことになります。

デイヴィッドは1946年生まれの41才 ウォール街の証券マン。
ある意味成功した人生を送っていると思われる彼が
1958年の夏 12才の時に出会った2人の女の子
姉メグ・ロクリーン と 妹スーザン・ロクリーン。
当時のことを デイヴィッド本人の口から語られます。

そう、告白…


告白するからにはヤッパリ 衝撃的内容 ですよねぇ…

この本の中での その衝撃は、《人間の苦痛》。

スレンダーな身体に長い脚 絶妙な赤毛のポニーテール
キレイに焼けた小麦色の肌 愛情豊かで強い…美少女。
こんなメグにデイヴィッドは とても強く心を惹かれます。

そして。
メグと妹スーザンは、お隣りルース♀の家へと
やって来たのです!

少女から女性へと変貌を遂げる過程にいる
明るい先の人生を感じさせる 容貌と性格 のメグ
一般的女性としての盛りを過ぎたと信じて
生きる意味を見出す事がない 後悔と怒り のルース

この2人が出会ったとき 変化が現れる…

物語の内容は 書かないことにします。
でも著者本人が「創作のキッカケ」にした事件が実在してます。


こんなこと考えるのは人としてイケナイことかもしれないけど
たとえば 言うことを聞かない飼い犬の頭を叩いちゃったり
たとえば ジュースの空き缶をポイッと投げ捨てちゃったり

こんな出来事にしたって人によってボーダーって違う。

もしも周りの人がみんなやってたら?
もしも少しずつ境目を上げられたら?
おなじ行動でも 自分の認識は変わってきちゃうんじゃ…?

痛覚にも慣れがあるように 善悪の判断も麻痺することがある。
エスカレートするかどうかは 全く別問題 だとは分かるけど
でも こんな風に考えると
ワタクシたち人間の不安定さにおののきます。

途中 イヤになって何度も本を置きながら、
それでも魅せられたように再び読み始める。

そんなワタクシは、主人公デイヴィッドを責められるだろうか…

どちらにしろコノ物語は、忘れることが出来ない…。





posted by MOW at 18:53 | Comment(4) | TrackBack(2) | 読書
この記事へのコメント
MOWさん、ハマりましたか。よかった。
読んでまーすのところにこの本が表示されてて、ちょっとドキドキしてたんですよ。
だって内容が内容だから、気分を悪くされて読まなきゃよかったって思うかもしれなないな・・・なんて。紹介すべきじゃなかったかもなんて気弱なことを考えちゃったりしてたんです、実は。でも書評を読んで、紹介して正解だったわと胸をなでおろしてます。ホッ。
読み始めて正直読み始めたことを後悔したんだけど、途中で止めても続きが気になっちゃって・・・。結局最後まで付き合ってしまいました。そしてやっぱり読んで正解だったなと心から思える本でした。
実話なんですよね。リンクのところを読んで改めてぞっとしました。
この本の感想をさっきネットでたくさん見てきたんですけど、両極端の意見が多かったです。鬱になる、読まなきゃよかったっていう人と、すごい作品だと賛辞してる人と。たしかに万人向けじゃないけどすごい力を持っている作品ですよね。
ルース家のことを薄々知っている近所の人達も罪には課せられないけど、見て見ぬ振りをしているのも立派な罪だと思います。
安全な場所にいる傍観者ほど質が悪い。それは自分自身にも当てはまる部分がたくさんあるので反省もこめて。
世の中には真の悪人なんかいないと性善説を信じる傾向が強い私たち日本人ですが、昨今の頻発する事件をみていると、そんなことも言っていられないと思えてきますよね。ひどい事件が多くて。
たくさんの人に読んでもらえないし、手放しで絶大な支持もされないだろうけど私にとっては忘れられない本になることは間違いないです。
MOWさん、素晴らしい記事をありがとう!
Posted by Duca at 2005年11月26日 00:21
>Ducaさん
こんばんはー、Ducaさんっ!お返事が遅くなっちゃってごめんなさい。
個人的にこの物語は読まなきゃいけなかった作品だったと思います。ワタクシの評価はいつもその時の気分でつけてしまうので 読む時期によって変わるだろうと思うんですけども、この作品の♪♪♪は確定だと思います。読んでるときの気分はハッキリ言って良くないけど、得るものも多い傑作だと思いました。両極端の意見の両方ともが本当で、だからこそ意味があるような気がします。
みんながどう思ってるのか知りたくて、ワタクシも他の人の感想沢山読みましたよっ。こんなのは久しぶりかも。
人って動物なんですよね…。その上で考える頭脳を持ってるから どう転ぶか分からない可能性が出てきちゃうのかな。性善説を信じたいのはヤマヤマなんだけどなぁぁ。
変に考えちゃう人が変に学習しちゃうかもしれないのは怖いけど、とにかく自分がどう思うのか、読んでみてほしい!と思いますよね。Ducaさんが勧めてくれた気持ちが 今は分かりますっ。ぜひぜひまた教えて下さいねー。

>kiichiさん
トラックバックありがとうございます!
ほんとに“きっつきつ”でしたよねぇー。今でも映像がアリアリと浮かんできちゃうんですよ。
[最悪だが傑作]の気持ち、同感ですっ。これからも宜しくおねがいします!
Posted by MOW at 2005年11月27日 00:15
こんにちは。
先日はコメントをありがとうございます。
私もこの本を読むのが大変でした。
MOWさんのリンク先を見てみたら、実話も小説以上に凄まじかったです。
自分の感覚がマヒするって、怖いですね。MOWさんのサイトを拝見して、今自分だと思っている私って、いったい何だろう? 危機的状況にある時も自分でいられるのかな、と思いました。
これからお邪魔するかもしれませんが、よろしくお願いします。
Posted by imaginative at 2005年12月11日 13:55
imaginativeさん、こんばんは!
ほんとにコノ本、読むのが大変ですよねぇ…。読後に“実話を元にしている”ことを知ったんですけど、衝撃でした。「もう、ヤダ…」って思っちゃいました。
今の自分ってとっても曖昧というか、世の中の波に漂ってるというか、確固たるものがあるのか不安になりました。
でも(だから?)やっぱり読んでよかったなーって今でも思いますっ!
是非ぜひまた遊びに来てくださいね。お待ちしてます!
Posted by MOW at 2005年12月11日 18:50
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ジャック・ケッチャムさん
Excerpt: 隣の家の少女(ジャック・ケッチャム)読了。 1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は、隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い、一瞬にして、心を奪われる。メグと妹のスーザンは両親..
Weblog: petit.plat principal
Tracked: 2005-11-26 23:18

「隣の家の少女」ジャック・ケッチャム
Excerpt: 【不感症で無感情な非人道的行為】 これほどまで、読みながら自分の心の中で助けを求め、叫び続けた小説はないんじゃないか。 非人道的で凄まじく狂った鬼のような人間達による少女虐待の物を、ただ黙って..
Weblog: 雑板屋
Tracked: 2005-12-28 00:34
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